オヤジ☆ブログ【シャブレ・ジブレ】 〈不定期更新 目標毎週2回!〉

絵:きよた 文:たなべ


アルバイトさんを採れない理由

 

 学生の方から、バイトの募集はしていないかと問合せを頂くことがあります。学業のかたわら、せっかくバイトをするなら、自分にプラスになることをやろうとする前向きな考え方は、とても素晴らしいと思います。

 

 

 

 でも、残念ながら僕のいるスタジオ、アルバイトさんの募集が出来ません。今後も募集の予定はありません。

 

 

 プロが使う機材の扱い方は、やはり現場であるスタジオで学ぶのが手っ取り早いことは確かです。尚且つ、様々な現場を間近に見ることが出来る撮影スタジオは学べることも多いと思います。

 

 ただ、それだけではフォトグラファーに成れる人はごく一部の限られた人だけになってしまうという現実があります。

 

 その結果、スタジオに入っても成れない人は、自分がなぜ成れないのかわからないまま消えていきます。仮に知り合いの紹介で誰でも出来るような撮影の依頼を受け、フォトグラファーの名刺をつくってみたところで、それをきっかけにステップアップ出来る人はごく稀です。

 

 

 では、一部の限られた人以外には何が必要なのか?

 

□ 趣味や自己満足の域を出ない写真しか撮らない人には、他人のハートに訴えかける方向性を見出させる。

 

□ 自分なりに一生懸命やっていれば、そのうち他人に認められるようになるという幻想にしがみついている人には、それが幻想だと気付かせる。

 

□ まだまだなことは自覚しているけど、それでもそれなりに結構上手に撮れているほうだと思い込んでいる自分の写真の腕が、恥ずかしいほど思いっ切り下手クソだってことを気付かせる。

 

□ 自分には秘められた才能があると信じ、変化も成長もない日々を送り続ける自称天才には、「お前はアホか。」と言いたくなるのを我慢して、その目を醒まさせる。

 

 

 こういった気付きを促すって、本人の捉え方によってはこれまでの自分を否定されるってことになりかねません。自分を否定されるってこと自体に拒絶反応を示す方がいるのは、人として当然でしょうから。

 

 だから、スタジオが出来ることといえば、事あるごとに、様々な形で、本人自身が良い方向に変われるように気付くことを促すだけです。時にサラっと、たまにチクっと。ここぞって時にはガツン。折を見てネチネチにならないように気を付けながらクドクドと。

 

 しかも、1回言っただけで気付ける人は、まずいません。気付いてもらえるためのきっかけを100回くらいは与えるつもりで根気よく付き合っていかなければならないのです。

 

 こういったことって、そう簡単には出来ません。出来たとしても、人間関係の構築があって初めて可能となることです。

 

 

 なぜ、僕がそこまでしてスタッフのブレイクスルーにこだわるのか? それは、外苑スタジオの出身フォトグラファーで密かに世界征服を企んでいるからなのです。

 

 すでに多くのスタジオOB・OGが様々な撮影分野、日本中・世界中で活躍しています。でも、世界征服にはもっともっと多くのフォトグラファーを必要とします。

 

 従って、表題の「アルバイトさんを採れない理由」は、「田辺が世界征服を企んでいるため」なのでした。

 

 

 

 

業務連絡:早く世界征服させてくれー

 

 

 

 


働きたくないだけの人が夢を追うべきではないただ一つの理由

 

「億り人」という言葉をご存知ですか?

 

 仮想通貨の高騰によって、自己資産が1億円を超えた方をリスペクトした言い方だそうです。資産と言っても時価総額での含み益のことなので、乱高下激しい仮想通貨では億り人になったり、ただの人に戻ったり、目まぐるしく変わる方もいるに違いありません。

 

 

 それでも、この億り人に憧れ、仮想通貨への投資を始める方は多いようです。おっさんの僕から見れば、「仮想通貨」や「億り人」、「ビットコイン」等のネット検索の結果が、ほとんど仮想通貨への投資をあおる記事で埋め尽くされているのが超引っかかりますが。

 

 ちなみに、この状況って19世紀のアメリカで起きたゴールドラッシュと変わりません。一攫千金を得た一握りの人のウワサが広まり、自分もそれに続こうと多くの人が集まり、その結果利益を得られた人は、ごくわずかの運が良かった人と、金の採掘者たちに何らかのサービスを提供するビジネスをしていた人たち。

 

 別に僕は、仮想通貨を否定するつもりはありませんし、これからの可能性には大いに期待しています。でも、投資のリターンを期待するなら、そのピークはとっくの昔に過ぎたようです。

 

 なんでこんな話を持ち出したかといえば、仮想通貨とは直接関係のないサイトで、黙って見過ごせない記事を見つけたからです。記事にムカついたわけではなく、その言われようにムカついたのです。

 

 

 

 

 「しらべぇ」というニュースサイトによるアンケート調査で、「好きなことで生きていきたいとか、夢を追う人のことをバカだと思ったことのある人」は、アンケート回答者全体の23.7%だったそうです。(全国20~60代・男女1348名)https://sirabee.com/2017/11/04/20161351110/(しらべぇ「夢を追う人はバカらしい?」より)

 

 僕が気になったのは、回答者の共通点でカテゴライズしたデータです。中でも、現在仮想通貨を持っている人の63.9%の人が「夢を追っている人」をバカだと思うと答えたのだそうです。

 

 別に僕は、仮想通貨を持っている方を否定したいワケではありません。僕だって、今ではありませんが、いずれタイミングをみて手に入れてみようと思います。

 

 でも、一攫千金狙うお前らに言われたくねーよ。

 

って、「夢を追う」誰かが言い返すべきじゃないかと思うんです。このまま言われっぱなしでいいのかよ!?って激しく思います。

 

 

 

 

 確かに、本当はただ単に働きたくないだけの人が「夢を追う」ことにかこつけて写真に首を突っ込み、楽にはお金を稼げないことがわかっては消えていきます。その手の人のおかげで、みんなが「バカ」だと思われています。

 

 夢を追う全ての人にお願いがあります。

 

 夢を追うのなら、ぜひ「真剣に夢を追った自分とその時間を誇りに思う。」と自信を持って言えるまで、その場からも自分からも逃げることなく踏みとどまって欲しいです。そこまでやれば、仮に当初の夢が叶わなくても、夢中になれる何かを見つけられているはずですから。

 

 

 

 


自信がないから飛び込めないのではない。飛び込まないからいつまでも自信が持てないのだ。

 

 ある日、就活中の子を持つフォトグラファーに、お子さんが改まって話を切りだしてきたそうです。「将来はお父さんのようにカメラマンになりたい」と。「だから、スタジオに勤めようと思う」と。

 

 それを聞いたお父さんは、猛反対しました。その方、フォトグラファーとして30年以上、一線で活躍されてきた方です。僕はその理由を聞いてみました。

 

 

 「仕事は何でもそうだけど、本当に心の底から好きじゃないと続かないでしょ。」

 

 「子供見てればわかるからさ。なんとなーく写真(の仕事)がいいなー程度じゃ無理、無理、無理。」

 

 

 それからしばらく、お子さんはお父さんと口をきいてくれなかったそうです。結局、この春からは、違う業界で働くことが決まっているとのことでした。

 

 

 確かに、親に反対された結果方向性を変えられる程度の想いなら、お父さんの見る通り心の底から好きっていうほどではなかったのでしょう。僕もフォトグラファーを目指さなくて良かったと思います。

 

 もし、本気でやりたいなら、そもそもどうやったら親を説得できるか作戦を立てて、あの手この手で反対を押し切ったはず。フォトグラファーたるもの、その程度のコミュニケーション能力やアピール力が無いと先行き寒くなりそうですから。

 

 「お父さん(お母さん)は、お前のためを想って言っているんだ」と言われたら、「自分のことを想ってくれているんだったら、成功を祈って応援してよ」と言い返せばいいんです。

 

 「お前にはまだわからないかもしれないけれど、世の中はお前が考えるほど甘くない」と言われたら、「だから、スタジオでしっかり学ぼうとしてるんじゃん。」と言えばいいんです。

 

 

 

 若い人が自分のやりたかったことを諦める理由に「親に心配かけたくない」という美しい言葉を聞くことがあります。でも、それって、僕には親のせいにすることで体よく自分の自信の無さから逃げているだけのように聞こえます。

 

 まあ、諦め方はどうあれ自信がないなら仕方ないのかもしれません。でも、自信ってやり続けるからこそ持てるんですけどね。

 

 

 

 ちなみに、親に「無理、無理、無理。」って言われたら、「いや、いや、いや、こっちだってこんな理解の無い親の言うことを聞くのは無理だから。」って言い返せばいいです。

 

 

 

 

 18の春、僕はそう言って親父に家を勘当されました。

 

 

 

 

 もちろん、今となっては良い想い出ですが。

 

 

 

 

 


時代は回る。ライティングも回る。

 

 先日、ビューティーの撮影で、ご担当の方がカメラマンさんにビジュアルイメージをこう要求していたそうです。「天使のリングって感じで。」

 

 「天使のリング」をご存知ですか? 天使の頭の上にある輪っかのように、髪の毛に周りの光が丸くハイライトとして写り込むことです。ネットで検索すれば、いかにきれいな髪を手に入れるかといった美容系の話が色々出てきます。

 

 ちなみに、僕にとっては懐かしい響きなのです。30年くらい前にスタジオマンだった頃、よく聞いた言葉でした。

 

 スタジオにいる者からすれば、「天使のリング」ってライティング効果のことです。モデルさんの真トップまたはちょっと後ろからメイン光より強めにライトを当てることにより、髪の毛にハイライトをつけるのです。

 

 

 当時のアイドル写真を見ると、皆さんしっかりとトップライトが入っていました。でも、その後、トップ光は古いって雰囲気が広まってきて、やがて誰も使わなくなってしまいました。

 

 それまでは日本人の黒髪を軽く見せる方法として、このライトが使われていたのかもしれません。その後、ヘアカラーが一般化し髪の色が明るくなっていく中で、「天使のリング」は聞かない言葉になっていったのです。

 

 で、久しぶりに「天使のリング」という言葉を聞いたわけです。最近は黒に近い髪色が復権してきた影響もあるのかもしれません。

 

 想えば、ライティングのトレンドは多灯からシンプルへと変わっていき、1発に行き着き、今はまた多灯に戻りつつあるようです。その流れの中でトップライトの「天使のリング」も復活する流れにあるのかもしれません。

 

 

 時代やファッションは繰り返すという話をどこかで聞いたことがあります。これまでは他人事ではありましたが。

 

 でも、半世紀以上生きていると自分自身でそのトレンドの一周を体現するものなのですね。我ながら、しみじみビックリです。

 

 ちなみに僕の黒髪は年々減少していく傾向にあります。昔前髪のあった場所にはトップライトを打たなくてもかなり強めのハイライトがパキーンと入るようになりました。

 

 今風に言えば「リア天」、リアル天使のリング。時代やファッションのように、大きなトレンドの中で髪の毛もまた生えてきたらと、切に願う今日この頃の僕なのです。

 

 

 


ジャーマネを机に座ってウトウトしているだけのおっさんと思うな

 

 スタッフが日報の「自分自身の声」欄にこんなことを書いていました。

 

 「人を注意するということは、自分は完璧でなければいけない。突っ込まれるところがあると後輩からの信用や信頼がなくなる。今の自分には、まだまだツッコミ所がたくさんある。後輩をしっかりと叱れる先輩になれるよう、もっと努力する。」

 

 とても真面目で人当たりも良く、誰に対しても優しいスタッフです。その彼が心に浮かんだことをストレートに書いてくれたのだと思います。

 

 でも、マネージャーの僕は、このスタッフにダメ出しをしなければなりません。「田辺にうるさいこと言われるくらいなら、日報に自分の気持ちを正直に書くのは金輪際やめよう。」となってしまわぬように気を配りつつ、そのスタッフが健康的で正しい方向に考え方を修正するように促します。

 

 

 そもそも、これって考え方の順番が逆なのです。

 

 『努力して』→『完璧になって』→『人に注意できるようになる』

 

 ではなく、

 

 『人に注意して』→『完璧にならざるを得なくて』→『努力するようになる』

 

 と、あるべきなのです。

 

 

 まずは自分が完璧になることを目指していたら、人は「まだまだ自分は完璧ではない」という場所に安住してしまいます。ぬるま湯に浸かっていることに気付いた時には、外が寒くて出るに出られない状態では、何のためのスタジオアシスタントかって話です。

 

 冒頭のスタッフの考えは、このスタジオの仕事が、公務員のように何十年と続ける仕事であるのなら、間違った考え方ではないのかもしれません。でも、スタジオは、単なる通過点であり、いずれは踏み台とするべき場所です。

 

 スタッフはカメラマン(写真家・フォトグラファー)を目指す限り、とっとと、どんどん仕事を覚え、姿勢を身につけ、コミュニケーションを学び、出来る人となって次なるステージに上がっていかなければなりません。

 

 

 日本中や世界中の誰もが見たことのある写真や映像を撮っている人、ビックリするほどのお金を稼いでいる人、ノンストレスで自由気ままに生きてる人、みんなこのスタジオに居た時から強烈に先と現実を見据えて努力していました。

 

 すべては自分次第。

 スタッフ、がんばれ!!

 

 

 

 ジャーマネがウトウトしててもね。

 

 

 


メルカリ出品写真を撮ってみた

 

 我が家では、僕の休日の予定の決定権は奥さんが持っています。先週は「今日、私は撮影で出られないから、あなたが代わりに〇〇(息子の名前)のサッカーの当番に行って。」とのお達しが出ました。

 

 

 「え?サッカーの当番ってなに?」と聞く僕。

 「お母さんたちがやってる子供たちのお世話係の当番のこと。のどが渇いた子には水筒、ケガした子には絆創膏とか消毒とか。周りのお母さんたちに聞けば教えてくれるから大丈夫。」とうちの奥さん。

 

 うちの小学4年生は、地域のサッカークラブで毎週末サッカーをやっているのです。

 

 「撮影で出られないってなに?」と僕。

 「メルカリで子供たちの使わなくなった服とかを売りに出すの。それに写真が必要なの。」と奥さん。

 

 あーそれで、僕はサッカーの当番なのね。あれ?でも待って。確か僕は昔カメラマンだったし、僕が撮影して、奥さんが当番に行った方がいいんじゃない?と奥さんに提案してみたら、「えー、やるの? じゃーいいよ。」としぶしぶ承諾してくれました。

 

 

うちの奥さんの思考回路は、結婚以来僕の最大のナゾです。

 

 

 

 

 ところで、メルカリってご存知ですか?

 

 https://www.mercari.com/jp/

 

 フリマをアプリにしたようなものだそうですが、僕は聞いたことこそあったものの興味はなかったので詳しいことは知りませんでした。

 

 で、我が家の小学生が小さかった頃に来ていた服や、おもちゃなど、十数点の撮影を奥さんから請け負いました。撮影はスマホのカメラで充分と言われはしましたが、そんな安易な妥協を元プロフェッショナルの僕がするはずはありません。

 

 僕はスタジオで借りてきたバック紙をアールにし、窓からの日差しをトレペでデフューズ、シャドー側には起こしの白いパネルを立ててデジタル一眼で撮影開始。光沢のあるプラスチックなど鏡面仕上げの商品は、周りの余計なものが映り込むので、それを防ぐことに苦心するのは(元)プロとして当然のことです。

 

 

 

 撮影後はフォトショで、カラーバランスやコントラスト・明るさを調節、商品が最も映えるバランスに整え、スマホサイズで出力、うちの奥さんのスマホにデータ送信して納品完了しました。

 

 ちなみに、明るさは素材の色が液晶画面上で最も映えるところにもっていきました。それを見たうちの奥さんは「ちょっとキレイ過ぎかも。これじゃ、新品みたい。」と言っていましたが、シミや汚れやキズをフォトショの加工によって消したり等のウソはついていません。

 

 

 あとで聞いたところによると、はじめて売りに出した商品十数点は、またたく間に完売したそうです。値段設定が良かったのか、写真が映えていたのか、その両方だったのかはわかりませんが、奥さんはしばらく商品の発送でてんやわんやしていました。

 

 

 

 今日あたりから、送った商品がお買い求め頂いた方々の手元に届きます。その方々からの感想や評価が、うちの奥さんにはつくそうです。

 

 

 果たして、送られてきた商品とその写真が違い過ぎるというクレームは入るのか? そして、うちの奥さんの評価やいかに?

 

 正直言うと、僕的には「写真にダマされました。」的なコメントと共に良くない評価を付けられたほうが嬉しいのですが、それは奥さんには秘密です。

 

 

 


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