スタジオマネージャー田辺のオヤジ☆ブログ【シャブレ・ジブレ】 〈不定期更新 目標毎週1回!〉

絵:きよた 文:たなべ


空気は読むな

 

 この国特有の閉そく感というのがあるそうです。僕は日本に住み続けているのでよくわかりませんが、スタジオのOBやOGには、日本が色々と住み辛いという理由で、海外に行ったっきり帰ってこない人が何人もいます。

 

 

 その場の空気を読むことを求められ、人の顔色を察知し、人に合わせ、本音は隠し、自分をないがしろにしつつ生きることを求められるのが日本。それに比べれば、少なくともNYやロンドンやベルリンは自由で生きていきやすいそうです。

 

 僕のいるスタジオではスタッフが空気を読むことでダメになっていく時があります。それに気付いたのは先日、スタッフに何か仕事をお願いしたときのこと。作業完了後、いつもなら「田辺さん、こんなんでいいっすか?」と確認を求めてくる人が、その日は「すみません、田辺さん。こちらでよろしいでしょうか?」と妙によそよそしい敬語を使うのです。僕はピンときました。その前日、別の案件で僕は彼を強めに注意・叱責したのです。そのせいで、「なんだかわからないけど、このオッサン怖いからへりくだって、崇め奉っておこ。」って思ったのか。それとも、「このオッサンに噛みつかれるのウザいから、敬うフリして距離おいとこ」ってことなのか。いずれにせよ、このような反応をするのは彼に限らず日本人スタッフの特徴です。

 

 

 よそよそしい態度を取るくらいなら、注意した案件について、自分が納得いくまで聞いてきて欲しいです。自分は間違っていないと思うなら、堂々とそれを主張してきて欲しい。僕が知る限り、日本語がネイティブではない方の多くはごく自然に議論を持ちかけてきます。その結果、納得すれば素直にそれを受け入れてくれます。それに比べると、日本人は議論自体が悪いこととでも思っているかのようです。

 

 別に相手を言い負かすためのディベートに挑めというわけではありません。お互いが持っている情報を並べ合わせ、どちらの洞察の方が正しいかを判断するために納得いくまで議論して欲しいのです。自分の洞察が浅かったり間違っていれば、より深く正しいことを知り次に活かせるというメリットがあります。もちろん、僕が間違っていれば、謝罪した上で僕が考えを改めます。当たり前ですが、議論のあとは何の後腐れもありません。

 

 

 サムライの国というインバウンド向けイメージはさておき、この国の国民の大多数は元々お百姓さんだったわけです。そのお百姓さんが村八分にならないために必要だったのが、空気を読み、議論をせず、ただただ上の者に従うということだったのではないでしょうか。

 

 今の時代、村のみんなで協力して耕す田んぼも畑も無いわけですし、忖度すべき地主さまもお代官様もいないわけです。だったら、空気読むのなんてやめちゃえばいいのにと思います。

 

 もっとも、それすら周りを見て、みんながどうするか様子を見てから自分がどうするか決めるって人が大多数でしょうから、この国から空気を読むことが無くなることはないのでしょうけど。

 

 

 


このスタジオに足りないもの

 主体性と根性。今の外苑スタジオのスタッフに足りないものだ。「今どき、“根性”なんてww」と笑う人がいるだろうが本当のことなのだから仕方がない。

 

 

 証拠はいくらでもある。スタジオ勤務後に就いた直アシをクビになる元スタッフは、スタジオ時代、みんな主体性に欠けるタイプだった。当時から、自分の意見もなければアイデアもない。自ら何かを仕切ることもなければ自分の考えを言い張ることもなかった。

 

 直アシ先を蒸発する元スタッフは、スタジオの頃から気が弱く、凹みやすいスタッフだった。スタジオの仕事ですら、ギリギリなのだから、それより遥かにプレッシャーがきつい直アシの仕事に耐えられるわけがない。

 

 仕事をやらされてやっているのでは話にならない。自分から湧き出る主体性を持ち、自分から進んでやらねば本物にはなれない。「やらされるのでなくやる」のだ。

 

 カメラマンに「なれたらいいなあ」では無理だ。「何が何でもなる」者だけが生き残っていく。

 

 

 挫折は人を強くする。ただし逃げずに向かい合うことを忘れてはならない。仮に失敗や挫折をしたのなら、まずはその原因を自分の中につきとめろ。誰かのせいにするのではなく、環境のせいでもなく、自分自身に足りないものは何かを問うのだ。

 

 一歩立ち止まって考え、そこから逃げずに結果を真正面から受け止め、次に前へ進むための手段を考えることが何よりも大切だ。本当は、失敗や挫折こそ、人を大きく成長させるチャンスなのだから。

 

 しかし、業界から消えていった元スタッフにこの声は届かない。届いたとしても、彼らはすでに聞く耳を持たない。

 

 だからこそ、主体性と根性。このスタジオにいる間に、しっかり身につけてから、胸を張ってスタジオOB&OGとなれ。

 

 

 


新卒採用の矛盾

 僕のいるスタジオでは今後、「新卒一括採用」を改め、「卒業後採用枠」とします。「中途採用」を改め、「通常採用枠」にします。

 

 

 100年以上昔、当時の財閥の都合で始まった「新卒一括採用」。これって、欧米には無い日本特有の制度だそうです。

 

 この制度、企業側における最大のメリットは、採用の手間やコストを少なく抑えることができること。でも、そのおかげで、学生は本来勉強(や葛藤や青春)に充てるべき時間やエネルギーの多くを就活のそれに充てざるを得ない矛盾を抱えなければいけません。

 

 しかも、この「新卒一括採用」競争。より良い人材を採りたい企業側も、学生を送り出す学校側も、周りに出遅れるわけにはいかず、批判の声はあっても誰にも止めることのできない状態です。

 

 多くの大人たちが、若い人のためを思えばこそ、受験・進学・就活の先にこそ明るい人生があると刷り込みます。反面、その道から外れてしまうと、厳しい世界が待っているとも。

 

 でも、僕の周りにはそのレールから外れてしまった人が大勢います。自分が本気で情熱を傾けられる何かを探し求めていたら、大人たちが敷いたレールの中には見当たらなかったのだから仕方がないじゃないですか。

 

 

 人はそれぞれ、様々なストーリーの中を生きています。何かのきっかけで「写真が好きな自分」に気付き、何かの環境が「写真にのめり込んでいく自分」を動機づけ、いつの頃からか「写真が人生にとって、なくてはならないもの」になっていく。

 

 その意味において、写真を学ぶ人が学校にいる間に、都合よく本気度MAXになれるかどうかは運次第。就活時期に間に合えば、それに越したことはありません。でも、間に合わなかったとしても、急げるものではないし、慌てたところで意味がない。情熱本気スイッチの入るタイミングは人それぞれだからです。

 

 僕のいるスタジオのスタッフにも様々な事情の中でこのスタジオに来た人がいます。親から、せめて大学までは普通のところに行ってと懇願され、一般の学校に行ってはみたけど、やっぱり写真がやりたくてとか。自分には関係ない世界だと思い込み一般企業に就職していたけれど、やっぱり写真で食べていきたくてとか。

 

 

 だから、「卒業後採用枠」。『春ではなく秋の卒業後』でも構いません。何なら『自動車学校卒業後』でもOK。自動車免許はあるに越したことはありませんから。

 

 僕個人的には、『好きだけどお互いのためには別れたほうがいい彼氏・彼女からの卒業後』ってゆうのがいいですね。今となっては、青春とか、葛藤とか、挫折とかって、かけがえのない時間だったと思いますから。

 

 そんなこと書くと、おっさんキモイって言われるかもしれませんが、おっさんは負けません。かけがえのない思い出、いっぱい持っていますので。

 

 

 


撮影スタジオアシスタント必読! スタジオにいるうちにやっておくべきこと。(その3)

 

~(下)からの続きです ~

 

☆ 元スタッフ・現直アシのOB&OGにLINEで送ったお願い

 

元気ですか?

お忙しいところ、すみません。

 

ちょっとお願いがあって連絡しました。

 

スタジオがどれだけ甘い世界だったかってことは、外の空気を吸っている今ならおわかりだと思います。そこで、まだその空気を知らずに日々平々凡々と過ごしている現役スタッフのために、ご意見をお聞かせ頂きたいのです。

 

『直アシについて痛感した、スタジオに居るうちに身につけておけば良かったと思うこと・改めておくべき考え方』を教えてください。

 

挨拶文句はいりません。思いついたことを箇条書きにして頂ければ充分です。ご多忙のところ、申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

 

 

 

☆LINEの返信(Dさんより)

 

返事が遅くなりました。

年末にかけて撮影が忙しく返事を送る暇がなかったです。

 

僕が直アシになって感じたのはもっとスタジオマンの時に作品撮りをしておけばよかったということです。

 

理由は

1.直アシにつくと師匠のライティングしか見れなくなるので、様々なカメラマンのライティングが見れるうちに自分のものにしておいた方がいいと感じました。

 

2.写真を撮る立場にならないと、カメラマンが何を求めているのかがわからないこともあると思います。アシスタントとしての幅が広がると思います。

 

3.直アシになると撮影の準備をするようになると思います。その日の撮影のことを考えて、どの機材を持って行くのか考えたり、スタジオにセット指示をするなど。この経験はなかなかスタジオマンでは積めないと思いますが、似たようなことは作品撮りの時に考えると思います。

 

4.作撮りするとなると、オペレーションやレタッチをすることになるので、PC周りの知識もつくと思います。

 

 

あと直アシになって感じたことは、機材扱い方や知識などの技術的な面はもちろんですが、より求められるのは他の方に気が使えるかだったり、ノリの良さだったり、愛嬌があったり、撮影中の空気を良くできるかなど、人間的な部分だと感じました。(これはついた師匠によって様々かもしれませんが...)

 

 

 

伝説となれ

 

 

クールを決めこむ姿は、カッコいいのか?

 

 

人から見られる姿を気にするのはどうなのか?

 

 

すべったヤツと、逃げたヤツ。ダサいのはどちらだ?

 

 

 

 

自分の殻を作ったのは幼い頃の自分。

 

 

破れないなら、ずっとそこに閉じこもっていればいい。

 

 

突き抜けた先の景色を見たいヤツだけが、伝説となれ。

 

 

 

 

2020年 外苑スタジオ新春一芸大会

 

開催日時:2020年1月8日(水)19時より

 

注意事項:仕込みなくして伝説になれた者はいない。手間と時間を惜しんだレジェンドもいない。

 

特記事項:スタジオは新年6日から開いています。仕込みや準備・練習をしたい方は事前にLINEにてお知らせください。

 

 

 

 


今日だけクリスチャン

 

クリスマスイブ。朝5時。元気に仕事をする我らがスタッフに神のご加護を。当ー面。