やってみてから考えよう

 僕はよくスタッフの人に「やってから考えよう。」と言います。でも、「ちゃんと考えて行動しろよ。」と言ったりもしています。

 

 

 もしかしたら、スタッフの中には僕のことを気分屋で支離滅裂なオッサンと思っている人がいるかもしれません。まあ、確かに当っていなくもないかもしれませんが。

 

 

 

 

 一応、僕には僕なりの理屈があって、使い分けているつもりなのです。

 

 

 僕も若い頃はそうだったと思いますが、人って失敗を恐れがちです。その失敗を恐れる人にとって、事前の下調べって大切です。

 

 

 スタジオのスタッフも、何かあると瞬時にポケットからスマホが出てきます。そして、フリック入力とやらで、瞬く間にグーグル先生に答えを聞いています。

 

 

 

 そんな彼らでも、調べようがないときや、どう調べればいいのかわからないときは、動きが止まってしまいます。で、僕が言うわけです。「やってから考えよう。」って。

 

 

 メジャーリーガーのイチローさんが、あるインタビューの中で『やってみて「ダメだ」とわかったことと、はじめから「ダメだ」と言われたことは、違います。』と言っていました。イチローさんの独特の言い回しですが、言いたいことは僕と同じだと思います。

 

 

 自分の意志で考えるためには、その判断の材料となるものが頭の中に必要です。必要なものが“知識”であるのなら、ネット検索はすごく便利です。

 

 

 でも、それが“考え方”や“捉え方”となると調べようがなくなってしまうのです。そんな時こそ、行動あるのみ。やってみることで、何が求められどう対処していくべきなのかが見えてくるのです。

 

 

 世の中には、マニュアルを読みこなして進めていく仕事もあります。でも、感性系職人の仕事は、求められるものに対しどう対処するのか、それこそが腕やセンスの見せどころとなるのです。

 

 

 他の誰でもなく、自分自身の頭で考えられるようになるためには、まずは考えずにやってみること。そこで自分が何を感じ取れるのか。そこが重要だと思うのです。

 

 

 ちなみに、僕がスタッフに「おーい、ちゃんと考えて行動しろよ~。」と言う時は、本人の頭の中にすでに考える材料や経験が入っているはずなのに、それを判断に使っていないと見受けられる時です。

 

  僕のことを気分屋で支離滅裂なオッサンと思っているスタッフのあんた、そこんとこヨロシク!(←DTBWB「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」風)