子供の頃の夢

 

 大リーガーのイチロー選手が小学生だった頃に書いた作文をご存知ですか? 彼は小学6年生の時にすでに「僕の夢は一流のプロ野球選手」と言い切り、そのために必要な練習量やそこに行き着くためのキャリアを具体的な数値を挙げながら書いていました。

 

 また、サッカー選手の本田圭佑さんも小学校の卒業文集に、「セリエAに入団・レギュラー・背番号10で活躍」と書いていました。他にも、テニスの錦織圭さんやゴルフの石川遼さんも今現在を予見するような作文を子供の頃に書いていたそうです。

 

 超一流のスポーツ選手になる人は、子供の頃からブレることのない夢を追い求めてきたという事実に驚きます。スポーツ選手の身体能力的ピークの時期と技術力の完成に要する時間を考えれば、幼少の頃からの目標設定はとても大切だということもあると言えます。

 

 

 でも、これが例えば政治家だったらどうなんでしょう? 

 

 小学生の卒業文集に、

 

「ぼくの夢は総理大臣になることです。そのためには、親の地盤を大切にしていかなければなりません。ぼくは3歳の時から後援会や地域のお祭り、冠婚葬祭などにもマメに顔を出すようにしています。また、ぼくが自信のあることは親がかなりの資産家だということです。これからは僕の知名度をもっと上げるためにも、まずはスポーツ選手か芸能人を目指し、顔が知れ渡った頃合いを見計らって選挙に打って出ようと思います。とにかく、ぼくは総理大臣になりたいです。」

 

 総理大臣になった方が、実は子供の頃このような作文を書いていたって知ったら、ちょっと引くかも知れません。でも、こんなこと書く小学生がいたら将来どうなるのかちょっと楽しみです。

 

 

 ところで、カメラマン(写真家・フォトグラファー)はどうかと言えば、子供の頃からず~っと、という方はそれほど多くないようです。僕のいるスタジオのOB・OGフォトグラファーでも、写真系の学校出身者は1/3に過ぎません。

 

 あとは、1/3が美術・デザイン系、残り1/3が一般的な専攻科目で大学に入ってはみたけれど、写真をやりたくなったとか、カメラマンを目指すなんて大それたことは自分に無理だと思い込み普通に就職したけれど一度きりの人生やっぱり自分が一番好きなことでやってみたくなったとか。

 

 

 ちなみに、うちの小学生の息子に将来の夢を聞いてみました。

 

僕 :「○○は、大きくなったら何になりたいの?」

息子:「何になりたいって?」

僕 :「仕事。何の仕事がしたい?」

息子:「ん〜、ファミ○。」

僕 :「え? ファミ○って、ファミリー○ートのバイト?」

息子:「うん。」

僕 :「なんで?」

息子:「なんか、日本語しゃべれない人もやってるから、楽そー。」

 

 息子を将来スポーツ選手にして、億単位の契約金をもらい、親は左うちわで暮らすという僕の子供の頃からの夢は、ここに儚く砕け散って行ったのでありました。