世界の中の日本人

 

「世界が興奮」

 

「海外からも絶賛の声」

 

「海外が称賛」

 

「海外メディアが賛辞」

 

「海外のファンが興奮」

 

 「YAHOO! JAPAN ニュース」のトピックスを見ていたら、やたらと外国で日本人が評価された的な表現が目についたので拾ってみました。先日まで平昌オリンピックが開幕していたからとはいえ、集めるのは簡単でした。

 

 

 以前、ニュースサイトの記事を作るライターさんから聞いた話ですが、ネットの記事の多くは、予め用意されている文章テンプレートなるものに言葉を当てはめて記事を作るそうです。ページビューを稼ぐための効果的なワードがリストアップされており、それとニュースの事柄をテンプレートに当てはめていけば、誰でも簡単に記事が作れる仕組みだそうです。

 

 と、いうことは、この「外国で日本(人)が評価された」というワードは、クリック数を稼ぐための鉄板ワードに違いありません。

 

 でも、これ、裏読みすると、日本人は自分に自信が無いということになってしまいます。自信が無いから、外国(というより欧米)が日本を好意的に受けとめてくれると嬉しいって、どうなんでしょう。

 

 

 ちなみに、ニュースサイトの「ページビューを稼ぐトピックが自動的に上位になり、多くの人の目に触れるようになる仕組み」。テレビで言えば、「視聴率を稼げるトピックを優先して取り上げる報道姿勢」。

 

 これって、一見、合理的で民主的に見えるかもしれませんが、その結果は「真実」から離れて「無意識の願望を投影したもの」となっているのかもしれません。

 

 

 昭和の終わり頃に比べると経済、学術、生活など、多くの分野で、日本の国別ランクが低迷しています。ひと昔前まではアジアで一番だと思っていたけど、すでに経済や学術に関する統計のいくつかは中国に抜かれています。

 

 そういえば、様々な問題を抱えつつも発展目覚ましい中国です。その輝かしい部分を日本のメディアが取り上げられることは少ない気がします。

 

 逆によく目にするのは、公害とか反日的なこととか民度とかの負の部分ばかり。まるで、日本はアジアの現実から目を背け、欧米からの理解を必死に求めているようです。

 

 政治的にどうのこうの言うつもりは毛頭ありません。ただ、日本人全体の心意気が弱気にひん曲がちゃってることを憂います。

 

 

 「オレ、ホメられて育つタイプなんで…」と言う方がいます。その対義語って「叱られて育つタイプ」ってことが前提なんだと思います。

 

 それって、ホメられなきゃ育たずに、イジケちゃうんかいって話です。

 

 「オレ、放っとかれても勝手に何とかするタイプなんで…」

 

 今、日本に足りないのは、この手の人だと思うのです。